牧場息子の当たらない馬券予想ブログ

偉そうに穴馬を予想しますが、当たりません。

ノーザンファームの快進撃の理由は放牧地の広さにあった!?

 生産牧場であるノーザンファームの快進撃は止まりません。
 詳細は説明するまでもありませんが、私もPOGならほとんどをノーザンファームの馬から選択しています。快進撃の理由は多くあるのでしょうが、その1つに放牧地の広さがあり、もっと言うと組織としての在り方なのではないでしょうか。

 

放牧地の広さは何ヘクタール?

 Googleマップなどで、遠征写真からノーザンファームの放牧地を見てみると、10年以上前(もっと前かもしれません)から、その広さは広大なものでした。ここ10年以内では中小の牧場も挙って放牧地を広げているのが現状です。放牧地の広さは放牧中の馬の移動距離に大きな相関があり、少なくとも2ヘクタール(縦横100mずつで1ヘクタールです)が必要で、理想は4ヘクタール(縦横200mずつ)欲しいところです。放牧地が広くなればなるほど放牧中の移動距離が長くなり、2ヘクタール以上は移動距離の増加も緩み、4ヘクタール以上になるとほぼ横ばいというのがGPSデータから分かっていることです。言わずもがなですが、移動距離が延びれば、生産者目線なら馬が丈夫になり、強い調教や連戦に耐えられると考え、バイヤー目線で言うとより持久力の高い馬に成長すると考えられます。ブラッドスポーツと言われ、先天的な素質が大部分と占めるとはいえ、力差の小さくなる上級クラスになると僅かな持久力の差が重要なファクターになってきます。ここ数年、キズナや今年のダービーを勝ったコントレイルを生産するノースヒルズも、近年は1区画10ヘクタール以上の放牧地を確保しているという情報もあります。ノーザンファームは10年以上前からGPSなど先進システムを利用してデータを活用し、馬づくりに活かしていたのです。

 
ノーザンファームは1つの組織ではない

 これも有名な話ですが、ノーザンファームは厩舎制を敷いており、ノーザンファーム内部でも厩舎間で競争していると聞きます。各厩舎には厩舎長がおり、厩舎ごとのスタッフと共に日々切磋琢磨し、かつ様々なアイディアや取り組みを厩舎間で共有しながら馬づくりに励んでいます。世の中でも急拡大するベンチャー企業のように、ノーザンファームはGPSシステムをいち早く取り入れるなど、先進的な取り組みを続けているのです。中小牧場がノーザンファームに敵うはずもなく、IT業界で言うところのGAFAにノーザンファームが位置付けられると言っても過言ではありません。

 

成熟してからが勝負

 どの分野においてもそうですが、創世期・成長期というのは大きく差が開くものですが、成熟期に入ると差は小さくなり平均化していくものです。IT技術の飛躍と共に馬づくりもITを頼る時代に来ています。
いずれノーザンファームの優位性も薄れていくでしょう。そして差が小さくなった時に起きるイノベーションと共にノーザンファームを打ち崩す牧場を登場させるのかもしれません。しかししかし、まだまだノーザンファームであることは間違いありません。

 

まだしばらくはノーザンファーム

 その時がいつくるのかは分かりませんが、それでもしばらくはノーザンファームです。ノーザンファームの生産馬をうまく選択し、甘い蜜を吸っていきましょう。馬産地の熟成期はまだまだ先と言えるでしょう。